「うわっ雨かよ…。」
傘を忘れて夕方に雨に打たれてしまうのは珍しくない。
今日って降水確率高かったのかな?、なんて考えても後の祭り。
おかげさまで玄関には多数のビニール傘が溜まっている。だれだけセブンイレブンの売り上げに貢献したことか…。
ふと考える。
私たちはどうして傘を忘れてしまうのだろうか。
どうしたら傘を忘れないで済むだろうか。
…というわけで作ってみた。玄関で傘が必要なときに教えてくれるツールだ。
昨夜突貫で作ったやつ、ちゃんと動いてた。「出勤時に傘が必要」「帰る時には不要かも」と、その日に傘が必要かどうかをわかりやすく玄関で教えてくれる。傘を忘れるリスクを最大限抑えられて超便利です pic.twitter.com/5ebEWpWwLg
— Yuki Hosono (@healthyboy5) 2015, 5月 19
開発したきっかけ
どうしたら傘を忘れないで済むのだろうか。
これは簡単な思考実験をすれば明瞭になる。
もし、誰かが玄関で耳元に「そこのお兄さん。今日は夕方から雨が降るから傘を持って行きなさい」と教えてくれたらどうだろう。うん、これなら忘れることはないでしょう。
その理由は簡単で、「傘が必要」という"情報"と「傘を取る」という"行動"とが直結しているからだ。玄関は外にでるために必ず通る場所であり、だいたい傘が置いてある。テレビの天気予報やiPhoneで見る天気予報よりも直接的かつ効果的。行動にそのまま影響を与えるわけだ。
もし「傘が必要ですよ」と、まったく同じ情報をテレビで教えてくれるとしても、玄関で知らせてくれたほうが価値があるに決まっている。
人間にはそれぞれ状況(コンテキスト)があって、What(何を)・When(いつ)・Where(どこで)・How(どのように)がうまく重なったとき、その情報は人間の生活に影響を与えることになる。
人が外出しようとするときに(When)、玄関(Where)で「傘が必要」(What)といった情報を、人間が自ら調べることなく受動的に(How)で報せることで、自動的に人間の行動とリンクするのだと思う。
IoTってこういうことなのかもしれない
たかが天気情報だけど、個人的にはこれぞまさしくIoT的だな、と考える。
あえてIoTの厳密な定義に触れずに言うなら、IoTの本質は生活のコンテキストに沿うことにある。
先の例はまさに、情報がコンテキストに沿うことで役に立った事例なのだと思う。
これは未来予想になるけれど、近い将来、「スマートドア」が液晶で天気を教えてくれる可能性は高い。ドアには無限の可能性があり、わかりやすいもので言えば高度な認証方法で「鍵」を革新する「スマートロック」がある。
勘違いしてはいけないのは、家電がWifiに繋がるとか、そういうところに革新があるわけではない。IoTによって、人間のコンテキストに沿ったサービスがどれだけ行えるようになるか、という1点において真新しさがあるわけで、そこにこそインターネットの新時代が待っている。ウェアラブルも生活コンテキストに根ざしている点で同様の流れを汲むものだ。
相変わらずハード開発の敷居が高いなか、不要なiPadを再利用して「IoTもどき」を開発できたのは良かった。簡単にできるので、皆さんもぜひトライしてみてください。この手のものは体験してみないと良さが分からないと思うけれど、やっぱり便利だと思う。「生活に馴染むインターネット」とでも言うべきか。
…というわけで、やや時代を先取りしてIoTっぽいものを体験してみましたよ、という話でした。
コメント