若者たちが生まれたとき、時はすでにバブルが弾けて下降の一途をたどっていた。それでも、経済的に見れば2位3位を維持してきた経緯がある。

ただ、今後は他国が経済成長を遂げ、日本を追い抜くことになる。にもかかわらず、多くの若者たちは十分な危機意識と防衛手段を持っていない。若者こそ武装して備えるべきなのに、この社会はその必要性をどれだけ問うてきただろうか

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異常な若者たち

若者たちを取り巻く社会状況は厳しい。


  • 諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低い。
  • 諸外国と比べて,悲しい,ゆううつだと感じている者の割合が高い。
  • 社会問題への関与や自身の社会参加について,日本の若者の意識は諸外国と比べて,相対的に低い。
  • 諸外国と比べて,自分の将来に明るい希望を持っていない。
  • 働くことに関する現在または将来への不安は,多くの項目で高くなっている。

平成26年版 子ども・若者白書(概要版)から抜粋

あーあ、という感じで溜息が出る。本当に異常な傾向だと思う。
他国にくらべて自殺者が多いのも決して偶然ではない。

ちなみに、このレポートの末尾に「日本の将来を担う子どもたちは,我が国の一番の宝である。子どもたちの命と未来を守り,無限の可能性に満ちたチャレンジ精神にあふれる若者が活躍する活力にみちた社会を創り上げていかなければならない。」と書かれているのが余計悲しい。

場当たり的な勇気づけはいらない

しかし、どれだけ若者が苦しい立場だとしても、「日本はきっと良くなるよ」なんて根拠のない無責任な励ましは無意味だ。正しい情報を与えることで、はじめて正当な準備ができるというものだ。

人間はどうにか楽観論を語りたがるものだけど、それでは茹でガエルのように変革の機会を自ら放棄することにつながってしまう。

実際、日本の未来について、若者たちは奇妙な思い込みをしているように思う。何となく、経済的に優れた日本が今後も安定的に続くものだと勘違いしているフシがある

GDPでインドに抜かれ、インドネシアに抜かれ、さらにはナイジェリアに抜かれ…と後退していくことをリアリティを持って考えられない。生まれてから若者たちは(他国と較べて)経済に強い日本しか見聞きしてないし、知るすべもない。

これから労働人口は減る一方だし、ITで大きく負け越すことによる影響を受けることも忘れてはいけない。GDPで言えば、日本はほぼ横ばいに推移するかもしれないけど、他国は成長を続けるから相対的には後退する。

資源を持たず、労働人口も多くはない点を考慮すれば、むしろよくここまで上り詰めたな、と思う。でも、それは過去の栄光であって、これからは実直に足元を見据えないといけない分岐点に差し掛かっている。確かな想像力を持って考え、正しく若者たちに伝達していかなければならない。

中途半端に若者たちを安心させても何も解決しない。いっそのこと、正しい認識を与えることで、ヤバイと思わせたほうが10倍マシというものではないだろうか。

若者がとるべきアクション

そんな絶望の時代が待ち受けているのなら、若者たちはそれに備えて奮起しないといけない。

大前提として、「自律性」を身につけなければならない。自律性はWill(意志)によってもたらされる。

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ゆとり教育によって、レールが取っ払われたことによる多様性が増した一方で、Will(意志)がある人とそうでない人とで上下がくっきりと別れてしまった。キャリア選択に悩む学生が多いのも似た問題で、Will(意志)を持たない(持てない)若者が多いのが現状だ。もはやレールに乗って定年を迎える社会構造ではないから、自分で「地図」(スタート地点とゴール地点を結ぶ設計図)を作らないと道を見誤る。

Willがないと、社会に自分を最適化させる必要が生じる。Willがあれば、若者たちは自律的にチャレンジできる。無理に社会に迎合する必要もない。

Willは技術だから、誰にでも手に入る。多様な経験をこなしながら「この経験によって自分がどれだけ変容するか」と自問自答し続ければいい。勝手に内発的動機が芽生えてくるから、それを発展させる。「何となく●●したい」という直感を踏みつぶさず、その芽を自由な方向に育ててあげればいい。

これからは社会に媚びなくても生きていける気がする。近藤麻理恵さんのように「片付け」をとことんやっているだけでビジネスになっちゃう時代なのだから、Willを突き詰めることによって多種多様なキャリアが実現できるはずだ。

中小企業が主体の世の中にシフトし、パラレルキャリア化が加速するであろう社会を考えても、個々の自律性が高度に求められるようになる。常に「お前は何者なんだ」と自問自答しながら、大胆にキャリア選択することが必要だろう。

個人的には、ベンチャーで自律的に働く事例や、海外で活躍する事例、地域性に根を張る取り組みが増えれば嬉しいな、と思う。

ITについても若者に優位性があるわけだから(数少ない成長産業であり、感覚的にWebを理解できる点で他の世代より優位)、もっと盛んにチャレンジすべきじゃなかろうか。

確かな想像力を持って進む

この国はまさに歳をとるように、ゆるやかに衰退している。

この状況を正しく社会や若者が確かな想像力を持って、何かアクションを起こさないといけないのは自明だと思う。

若者の未来は日本の未来なのだから、事の重大さを身をもって取り組むべきだ。確かな想像力を持って、正しい情報を若者に与えることで危機感を持ってもらう必要がある。この社会は、もっと真剣に若者のことを考えたほうがいい。「責任ある社会」とは、まさにそういうものなのではないか。

僕は僕で高校や大学でITの啓蒙活動を頑張ろうと思う。