就活生の弟に話を聞くと、どうやら今年の就活ではIoTがとにかくバズってるらしい。確かに、就活資料を見てみるとそんなに関係なさそうな企業でもとりあえずIoTと言ってる感すらあった。ただ、それを目の当たりにする就活生にとっては、「IoTのなにがそんなに大事なの?」という疑問が湧いてくるに違いない。

IoTとググっても、「数億個のデバイスとセンサーが〜」とか「直訳するとモノのインターネットで〜」のように「だから何なの?」とツッコミたくなるような事例しか出てこない。ちょっとそれでは酷なので、就活生でも分かるように「なぜ今IoTが重要なのか?」を極めて簡単に書いておこうと思う。今回はインダストリー的な話ではなくユーザ体験の文脈で書いてみた。

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現在のビジネスは「ユーザ体験」がすべて

現在のあらゆるビジネスは「サービス」のレイヤーがとても重要。どんなに技術力があろうが、どれだけコストをかけようがユーザには関係がない。最終的にユーザにとってどのような価値があるのか?によって評価される傾向が顕著だ。

サービスとは何か。Webサービスも「サービス」である。スタバもサービス。家電だったらそのもの自体は「モノ」に過ぎないが、そこに定額課金の防犯サービスが付加されればサービスに転化。サービスはユーザに何らかの利便性を提供することが多い。

ユーザ体験の重要性は歴史が物語っている。ITに関して言えば、ヤフーがグーグルに置き換わり、ガラケーがスマホに置き換えられたのは単に機能で優位だったからではなく、ユーザへどのような価値を提供したかによって評価される傾向をまさに象徴している。

結局のところ、サービスレイヤーが重要になった現代のビジネスシーンにおいては、ユーザの体験ありきでビジネスを設計しなければならない。逆に言えば、ユーザに優れた体験を提供することで、はじめて土俵に立てる。

※ちなみに、ユーザの価値とは、あえて超平易な言葉で表現すると「利便性」「快適さ」みたいなもの。あらゆる事象はユーザに何らかの作用を及ぼす。概念的だけど、それが価値。そして、その価値はユーザを取り巻く状態によって日々変動する。UX(サービスを利用する前後のユーザ自身の変容)の考え方に近い。

新しい「ユーザ体験」こそビジネスの競争力へ

パソコンが徐々にスマホへとシフトしたことによって、インターネットは外に持ち出された。それまでは家の中でしかインターネットにアクセスできなかったが、それがユーザの生活シーンで直接繋がれるようになった。ゆえにユーザ体験がとても重要になった。

今後のビジネスはいかに画期的な体験を提供するかがカギになる。そのための1つの手段として、これまで取得できなかったようなデータを計測し、それをユーザへ還元することが重要に。

新しい体験を提供するために必要なIoT

新たなデータを計測するためには当然デバイスが必要。その1つは腕時計に代表されるウェアラブルデバイス。これによって「人間側のデータ」が計測可能に。そして、「環境側のデータ」は家電や設備などによって計測可能になる。ここで必要になるものこそIoTである。

これによって、IoTによって新しい体験を提供できることになり、画期的なユーザ体験(UX)をもたらすことが可能に。これこそが現在のビジネスシーンにおいて重要な競争力になり、お金の集まる部分。

つまり、現在のビジネス環境でIoTが重要視されるのは必然

IoTでインターネットはより親しみやすく

IoTによって新しい体験が提供できることになると、おそらくユーザとの接点自体も変容する。2016年時点での有力候補は依然スマホだが、ウェアラブルを筆頭により親しみやすく人間に近いデバイスである必要が出てくる。

それによって、インターネット自体はより液晶から外に拡張する。操作する必要すらなくなるかもしれない。いまのインターネットは能動的に特定の操作が必要だが、多様なデータを計測することで操作を究極まで簡略化する流れに。そうすると今までは使いこなせなかった高齢者などにも裾野が広がることになる。


あえて適当な言葉遣いをしたのでその手の人に怒られそうだけど、これなら大学生でも分かるかな?以上。